さて、息を長くとめるコツ、その2です。
その2は、ひとことで言うと慣れなんですが、
なれといっても、普通のなれとはちょっと違います。
一言でいうと、苦しいことへの、慣れ、です。
素潜りは苦しいです。息ができないのですから。
だれだって苦しいです。私だって苦しいです。
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息をとめると苦しくなる理由
で、なんで「苦しく」なるのでしょう?
分かりますか?
実は、苦しい、という感覚は、二酸化炭素の量なのだそうです。
逆に言うと、酸素が残っていても、二酸化炭素が一定量になれば、だれでも苦しくなる。
ハイパーベンチレーションは危険
で、昔、素潜りでハイパーベンチレーションというのが流行りました。
深呼吸は早くやることで、強制的に二酸化炭素を肺から出してしまうのです。
これやると、苦しくなくなります。
二酸化炭素が少ないので。
でも、酸素がなくなっても、あまり苦しくならないので、簡単にブラックアウトしやすい、意識を失いやすい、これは危ないということで、スキンダイビング、フリーダイビングの世界では、これをやるのはおすすめしない、ということになりました。
苦しくてもしばらくは大丈夫
何が言いたいんですかというと、
要するに、苦しくても、しばらくは大丈夫、ということなんです。
そう簡単に意識は失わない、ということ。
これはドルフィンスイムで、イルカと一緒に泳いだとき、夢中になって潜ってしまい、ふと上を見上げると、海面が遥か上で、これはやばい、という経験を繰り返すと分かりますw(なるべく、やらないでください)
無理かと思ったけど、案外、大丈夫じゃんと。w
脳が最も酸素を消費する
で、実は酸素を消費するのは、脳だと前回、言いましたが、その中でも「怖い!」「どうしよう!」「死ぬ!」という焦りの考えがですね、実は最も酸素を消費します。
逆に言うと、考えが焦っていないと、のんびりしているとあまり酸素を消費しない、ということです。
苦しくても、慌てない、ということですね。
ただ、本当に、意識を失いかけたとき、というのは、視界は黒じゃなくて、白くなっていきます。
こうなったらやばいので、そのときは、ウエイトを捨てて、上向きになって浮上しましょう。
いかがでしたでしょうか。
まとめますと、苦しみ・恐怖への慣れ、これなしに、素潜りで長い時間、潜っていることは難しいと思います。
単純に怖いからですね。で、怖いと思うことがまた酸素を消費するということですね。
努力すればするほどうまくいかない、という負のスパイラルに陥るわけです。方向が逆なわけですね。なるべく頑張らない。なるべく楽をする。力を抜く。あきらめる。そうすると、素潜りっていうのはびっくりするぐらい、楽に長く潜れるようになります。
多少、苦しくても、あ~苦しいなぁ、あはははは、あははははみたいな感じで思っておくと、意外と長く潜れる、ということですね。
素潜りの先生はイルカ
素潜りの先生はイルカです。イルカと泳いだり、潜っていると、だれに習わなくてもいつのまにか深く潜れるようになるのは、色んな人から聞いたことがありまし、私にもその体験があります。
イルカと泳いでいるといつの間にか、深く潜れるようになるのは、潜る中で、楽しい、気持ちいい、リラックスしている感覚を感じながら、海の中に潜るからのような気がしています。
苦しい!よりも楽しい!のほうが、酸素を消費しないようなんですね。だから、長い時間潜ってられる。
で、ちょっとおまけとして、スタティックという競技があります。プールに浮かんで、息を止める、というただ、それだけの競技です。
これを、少し前に、スキンダイビングの記録をもっている方のところでレッスンをやったときに、生まれて初めてやりました。
2分半、とめていられました。
今は4分強とめられます。
息を止めてしばらくすると、横隔膜がゆっくりと痙攣します。
その痙攣がだんだん早くなります。で、この痙攣の早さで、どうやら、身体的な本当の限界がわかるようなのですが、ただ、絶対にやってはいけないのは、こうした素潜りにおける、「限界への挑戦」を、「一人でやってはいけない」ということです。
限界への挑戦をひとりでやって、死んだ人がたくさんいます。
限界への挑戦は、それを今から自分がやるということを、周りの人が分かっている状態でやってください。
そして、いざ、何かあったときに助けられる技能や環境があること、そういう状態なしに、限界への挑戦をすることは非常に危険です。
特にツアー中、イルカと泳いでいる中で、外洋で限界に挑戦することを目的に、素潜りをすることはやめましょう。危険です。
以上、おまけでした。
はい、今日のお話しは以上です。
次回は、もし、仮に「頭の考えがとまったとき海の中はどのように見えるか」というのをちょっとお伝えできたらと思います。
面白いですよ。私も数えるくらいしか、この体験をしたことがありません。でも、本当に平和で幸せな感覚です。
あのときの感覚を知っておくと、素潜りやることが多分、すごく楽しくなると思います。
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